ZEROO OWNER’s INTERVIEW Michino Le Tourbillon, French Restaurant owner Chef Tadashi Michino T9 UFO ゼロ・オーナーズ・インタビュー T9 UFO フレンチ・レストラン「ミチノ・ル・トゥールビヨン」オーナーシェフ 道野 正(みちの・ただし)様
【日本のフランス料理界の奇才】Japanese French Chef Avant-Garde style
ZEROOの新作 T9 UFO (ref. ZT009SSBB) を着けて満面の笑みの道野シェフ
デザート担当のマダム(道野シェフの奥様)曰く、“取材のときは、プロの料理人としての顔をつくるので、めったに笑わない“ とのこと。
Chef Michino with a big smile ZEROO's new watch T9 UFO (ref. ZT009SSBB)on his wrist.
According to the “Madam” in charge of dessert (Chef Michino's wife)in this restaurant, "When he got an interview, He rarely smile because it is the professional chef's face."
道野 正シェフ略歴:1954年、兵庫県出身。京都のレストランで修業後、渡仏。「ラ・コートドール」などで修業して帰国。大阪の「シェ・ワダ」を経て、1990年オーナーシェフとして「ミチノ・ル・トゥールビヨン」を開店。2009年大阪市福島区に移転。
マカロンにフルーツやエディブルフラワーをあしらった可愛らしいデザート。可愛らしく洗練されたマダムのセンスが光ります。A cute dessert with macarons and fruits and edible flowers. Madam's desert is always cute and sophisticated.
黒のコックコートにマットの黒文字盤のクラッシックなデザインのトゥールビヨン(ref.ZT009SSBB)がとてもお似合いです。
道野氏曰く「ZEROO(ゼロ)は、面白いデザインのトゥールビヨンを作っているメーカーということで、前から気になっていました。」とのこと。
「最新作のZEROO T9 (ゼロ ティーナイン)UFOオートマティック トゥールビヨンは、シンプルなデザインで凄くいいなと思ったのです。」
「スケルトンのT9-01も良いのですが、個人的にはインデックスもロゴも無い黒文字盤で、トゥールビヨンのところだけが見えるモデルのT9に強く惹かれました。フルスケルトンより、このデザインのほうがよりトゥールビヨンが強調されるのではないでしょうか」。
「ベルトもスムーズなタイプだったので、それも好印象でした。通気性を考慮すると穴があったほうが良いのでしょうが、少しうるさい感じがするものですから。駆動形式は強いて自動巻きでなくても良いのですが、ムーヴの新しさも眼目の一つだったのだろうと推察しています」。
店名と同じ、念願のトゥールビヨンを手に入れられた道野氏。
以下、道野氏の公式 Instagram 道野 正 (@tadashimichino) より引用
「店名がトゥールビヨンなので、時計好きのお客様が多い。でも、それを意識して付けた名前ではない。フランスで仕事をしていたとき、パリのエルメス本店のショーウィンドウに飾られていた1枚のスカーフが印象的で、それが店名の由来になった。」
HERMES CAREE (スカーフ) Tourbillon(トゥールビヨン=渦巻き)
エルメスのスカーフのTourbillon(トゥールビヨン)が店名の由来となった。
「そのスカーフは中心から外周に向かって、様々な葉っぱが渦を巻いたように広がっている図柄で、遠近法に従って、真ん中は小さいが、段々と大きくなっている。見惚れてしまったのだが、そのスカーフのタイトルがtourbillon(渦、つむじ風)だった。」
「そのとき、オレは違和感を感じた。葉っぱだけでつむじ風ってないやん。でも、なんだか感動した。見えないチカラで葉っぱが踊っている。カッコいいと思って、もし自分がレストランを開くことがあったら、これを店名にしたいと思った。」
「だから時計のトゥールビヨンにはさほど執着はなくて、お客様に「トゥールビヨンはお持ちですか?」と尋ねられて「持ってません」と答えることに気後れを感じることはなかった。
死ぬまでに買えればいいか、くらいの気持ちだった。でもやっばり無理やな、高すぎるもんな、と諦めていたところ…。」
お客様にZEROOTIMEという時計会社の方がおられて、WEB広告に載せたいからとおっしゃるので取材を受けた。出来上がった記事がやたらとカッコよくて気をよくしていたら、今日来店されて新作のトゥールビヨンをカバンから取り出されて、気がついたらそれはオレの腕に移動していた(笑)。
夢は夢のままに。それを自然と受け入れられる年齢になっていたはずなのに、ある日突然、それが実現することもある。
だから、あえて言おう。
夢を諦めてはいけない。実現しようがしようまいが、夢のない人生はつまらない。
料理の素材にこだわる道野氏に興味深いお話をお聴きしました。
「最高の素材と普通くらいの素材を合わせてしまうと、どうなると思いますか?」
と道野氏。
「最高と普通くらいの中間と思われますか。いえ、絶対にそうならないのです」
道野氏が言うには、「パーツ(素材)ひとつひとつの完成度を高めていかないと全体のバランスとして、美味しくならない」のだそうだ。
何やら機械式の時計製作にも通じる料理のお話。古今東西の達人同志は、ジャンルが違っても共通点があるとはよく耳にしますが、なるほど目から鱗のコメントです。
更に、道野氏のお話は続きます。
「素材には、常に新しいものをチャレンジしていますね」
「フランス料理では、タブーだったメインに豚肉を使う料理を使いだしたのも僕だと思うし」
「今でこそ、日本人シェフがフレンチを作るのに、日本料理の食材を使うのをよく目にしますが、日本料理の食材を新しいアイデアで使い始めた先駆者とよく言われていました」
ごぼうや牛スジ、白子などの和食の食材などの完全に和食の素材も道野シェフにかかれば、革新的なフレンチの料理に変身するのです。
鮮魚のポワレとユリ根のピューレ。ベルモットの牛乳の泡。Fresh fish by “Poilé” and lily root puree. Vermouth milk foam
「本日、お出ししました柿とクリームチーズのクネルも実は、友人から手に入れた「干し柿」が素材なのです。本当に美味しい干し柿をつくっている友人がいて、自分の料理に取り入れることはできないかと思いまして。但し、送られてきたときは、あまりに固かったので、どう料理するか苦心して、色々と考えましたが」
「素材の完成度を高めて、料理を構築するということは、どういうことかと申しますと」
道野氏の目が光った。
「例えば、私が料理を作る時は、お客様がお召し上がりになった時に、香りがこうなって、口に入れて噛んだ時は、こういう味で、喉を通るときにこういう味になるなという風に計算して料理を作っているのです」
「長年の経験からどんな素材でもぴったりの想像ができてしまうので、試作料理を何度も作り直しをすることは、ほぼありません」
何やら、「料理人」というより「魔術師」というほうがしっくりくる道野シェフですが、
神学部卒というバックグラウンドがそうさせるのか、実は、道野シェフの料理には、料理のアイデアスケッチのようなデッサン(設計図)があります。
T9/T9-01のデッサン
その設計図には、こと細かく色々なことが書いてあり、ル・コルビジェ(*注1)
の建築のデッサンのような考え抜かれた重層の何階建てかの建築の様なのです。
(*注1)ル・コルビジェLe Corbusierは、スイスのヌーシャテル州にある時計製造の街ラ・ショー=ド=フォン出身の20世紀を代表する建築家。ル・コルビジェ自身も時計の文字盤製造の職人の家に生まれたが、生まれつき近眼でその道をあきらめ、建築家になったというエピソードがあります。上野の国立西洋美術館は、ル・コルビジェの設計。
牛肉の赤ワイン煮込み/ bœuf bourguignon(Beef cooked in red wine)(*注2)
CALERA PINOT NOIR Josh Jensen Selection/Carifornia central coast (*注3)カレラ・ピノ・ノワール ジョジュ・ゼンセンセレクション カリフォルニア・セントラルコースト
(*注2)牛肉を赤ワインで煮込むことによって、甘みやコクを出すブルゴーニュの郷土料理 (*注3)ブルゴーニュを代表するピノ・ノワール種のブドウをカリフォルニアで栽培しているワイナリー。カレラは、ワイン評論家のロバート・パーカー氏からカリフォルニアのロマネ・コンティと呼ばれるほど人気のワイン。カレラの名前は、その石灰岩の窯(ラベルデザインにもなっている)が由来。
ZEROO T9 UFO AUTOMATIC TOURBILLON*
T9は、トゥールビヨン・ムーブメントの美しいキャリッジをじっくり味わえるよう、文字盤をくり抜いた伝統的なスタイルを現代的に再構築しました。キャリッジの美しさに焦点を当てた、ミニマルでありながらエレガントなデザインに仕上げています。
T9 is a modern design of the traditional style with a hollowed-out dial, enable you to fully appreciate the beautiful carriage of the tourbillon movement. The design is minimalist yet elegant, focusing on the beauty of the tourbillon carriage.
T9は、これまでのエッジの効いたシャープでメカニカルな印象のケースとは違い、柔らかく、エレガントな曲線美のケースに進化したデザインです。
T9 has a design that has evolved from the previous edgy, sharp, and mechanical-looking cases to a soft, elegant, curvaceous case.
側面ガラスは高透明度を持つK9ガラスを採用。ムーブメントの動きを愉しめます。
側面から見たケースの形状と小窓から宇宙船を想起し「UFO」という名としました。The side glass uses K9 glass with high transparency. You can enjoy the movement of the movement. The shape of the case seen from the side and the small window remind us of a spaceship, and we gave it the name “UFO.'”
ZEROOの時計ファン待望の自動巻きトゥールビヨンのムーブメント。自動巻きのローター(回転錘)部分には、ZEROO TIME Co. の装飾が施されています。
The passionate ZEROO watch customers have been waited automatic tourbillon movement. The automatic winding rotor is decorated with ZEROO TIME Co.
「トノーケースの曲線がなめらかだし、ムーブもオートマで、進化が感じられます」と歴代のZEROOの時計をご存じの道野氏ならではのコメントをいただきました。
ZEROO T9-01 UFO FULL SKELETON AUTOMATIC TOURBILLON*
T9-01は、ブランドのアイデンティティであるスケルトン仕様を継承しながらも新世代ZEROOのスケルトントゥールビヨンとして設計。新しい樽型ケースのカーブトーンにジャストマッチするようダイアルフレームやローターなど全てのデザインを再構築しました。
T9-01 is designed as a new generation ZEROO skeleton tourbillon while inheriting the skeleton specification that is the brand's identity. All designs including the dial frame and rotor have been rebuilt to perfectly match the curved tone of the new barrel-shaped case.
スケルトン トゥールビヨンは、ゼロの真骨頂。曲線美のシンプルなケースに、メカニカルなフレームデザインがより強調されています。
The skeleton tourbillon is the true essence of Zero. The simple, curvaceous case emphasizes the mechanical frame design.
T9-01のローター(回転錘)は、ローズゴールドのコーティングが美しく輝いています。
The T9-01's rotating weight is beautifully coated with rose gold.
T9-01の柔らかな曲線のケースは腕に乗せた時の心地よい装着感を演出します。
T9-01's soft curved case creates a comfortable fit when placed on your arm.
ZEROOは、「新作のデザインがどんどん進化するので、面白いです。これからも目が離せません。」と道野氏。
エルメスのスカーフから店名にしたのが、時計の複雑機構と同じ名前の為、時計好きのお客様がよく来られるそうです。
Michino Le Tourbillon ミチノ・ル・トゥールビヨン
JR福島駅徒歩5分。一本道を入るだけで都会の喧騒と隔離された隠れ家のようなフレンチ
レストラン(要予約) Five minutes’ walk from JR Fukushima station. Located on the backstreet, so this French restaurant is like your own secret house away from noise of the city.
ZEROO編集後記
料理を作る時は、「パーツひとつ、ひとつの完成度を高めていかないと美味しいものにならない」という道野氏。料理に対して真摯に向き合っていらっしゃる道野氏の姿勢や哲学が感じられます。
精密機械である機械式時計に通じるようなコメントが「時計好きの道野氏らしい」と思ったZEROO編集部でした。
ミチノ・ル・トゥールビヨン
大阪市福島区福島6-9-11 神林堂ビル1F
TEL 06-6451-6566
営業時間:【火~日・祝・祝前】
ランチ 12:00~13:00 (L.O.13:00)
【火~日・祝・祝前】
ディナー 18:00~20:00 (L.O.20:00)
定休日:月曜日
※祝日は営業し翌日お休み
近隣のZEROO SHOP
阪急メンズ大阪 THE TIME HOUSE
〒530-0017
大阪府大阪市北区角田町7番10号阪急メンズ大阪B1F
TEL:06-6361-1381 (大代表)
営業時間:平日11:00-20:00 / 土日祝 10:00-20:00
定休日:不定休
HP:https://www.gressive.jp/shop/R0516